遷移金属サイトが半整数の価数を持ちながら非金属的な伝導を示すLiMn2O4およびYBaCo2O5についてパルス中性子を用いた粉末回折実験を行い、得られたデータを原子対相関関数に変換して局所構造解析を行った。LiMn2O4の平均構造では+3.5の価数をもつMnサイトしか存在しないのに対し、その局所構造には+3価と+4価をもつMnサイトが存在するものの、それが周期的に配列していないことがわかった。これはMnの3d電子がいわばガラス的に周期性を持たずに局在していることを示している。同様な結果がYBaCo2O5でも得られ、上に述べた性質をもつ物質では電子がガラス的に凍結していることを示唆している。
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