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2012 年度 実施状況報告書

高効率中性子非弾性散乱実験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24510133
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

中島 健次  独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (10272535)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード量子ビーム / 中性子非弾性散乱 / チョッパー型分光器 / ディスクチョッパー / パルス中性子 / J-PARC
研究概要

本研究は、パルス中性子源に据え付けられたチョッパー型分光器について、複数入射中性子エネルギーの利用法の改善、チョッパーの開口タイミングや開口シークエンスの改良により、従来の非弾性散乱の測定効率を大きく引き上げる測定手法を開発することが目的である。
今年度は、高効率中性子非弾性散乱実験法の実証に試験に資する試験用の多孔CFRP製高速ディスクチョッパー用ディスクについて、実施設計と強度計算を実施する予定であったが、委託を予定した国内で唯一実績のある業者に、同社内の方針転換により新規受注を受け付けないと通告され、実施を次年度以降に繰り下げた。この件については、同社の方針変更撤回を交渉し、平成25年度に同委託を実施、計画を全体的に見直し、調整中であり、研究実施に全体としては影響が出ない予定である。
一方、解析的手法、計算機を用いた数値計算による測定手法検討は順調に進み、多孔高速ディスクチョッパーの設定、選択する入射中性子エネルギー範囲の増大について検討が行われ、従来、線源のパルス周期に支配されていた入射中性子エネルギーの選択範囲をその制限を超えて選択する際の条件についての定式化を得ることに成功した。その結果については、平成24年9月に開催された国際会議「QENS&WINS2013」(日光市)にて発表すると共に、現在、論文を投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前述したように、本年度研究費を使用する予定であった高効率中性子非弾性散乱実験法の実証に試験に資する試験用の多孔CFRP製高速ディスクチョッパーについて、実施設計と強度計算を実施する予定であったが、委託を予定した国内で唯一実績のある業者に、同社内の方針転換により新規受注を受け付けないと通告され、実施を次年度以降に繰り下げた。この件については、同社の方針変更撤回を交渉し、平成25年度に同委託を実施、計画を全体的に見直し、調整中であり、研究実施に全体としては影響が出ない予定である。

今後の研究の推進方策

本研究の目的は、パルス中性子源に据え付けられたチョッパー型分光器について非弾性散乱の測定効率を大きく引き上げる測定手法を開発することであるが、研究方法は、次の2点である。
1. 解析的計算、計算機を用いた数値計算によるシミュレーションにより理論的な検討を行う。
2. 実機(J-PARCセンターに据え付けられた冷中性子チョッパー型分光器AMATRERASを使用予定)に試験用の高速ディスクチョッパー用ディスクを実際に取り付け各種実証実験を行う。
1については、引き続き、チョッパーの開口タイミングや開口シークエンスの改良をテーマに今後も継続する。
2については、試験用ディスクの製作に時間がかかるため、早急に設計、製作を開始しなければならないが、本年度は実施できなかった。次年度以降は、この製作を最優先に行い、最終年度までに実証実験に着手し、実際の実験装置を使った効率化の検証を行いたい。

次年度の研究費の使用計画

次年度については、最優先で試験用の多孔CFRP製高速ディスクチョッパー用ディスクの製作にかかる作業に着手する。そのための実施設計、CFRPディスクの強度計算を高速ディスクチョッパー製作に実績のある業者に委託し、実施する。その委託費と業者打合せのために、190万円を使用する。
また、製作のために必要な濃縮ボロン、各種原料を調達し、製作準備を開始する。そのために、100万程度を使用する予定である。
さらに、ディスク製作過程やそれらを用いた検証実験の計画検討、また、並行して実施する解析的計算、計算機を用いた数値計算によるシミュレーションにより理論的な検討において予期せぬ問題の解決や検討方向についての手がかりを得るために、関連する研究を行う国内の研究者らとの議論も含めた研究調査も行う。そのために、旅費として残りの経費を充てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] J-PARCにおける中性子利用研究2013

    • 著者名/発表者名
      中島健次
    • 学会等名
      第2回東北大学 光・量子ビーム科学連携ワークショップ 量子ビームを用いた物質・生命科学の新展開(II)
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      20130107-20130108
    • 招待講演
  • [学会発表] Inelastic neutron scattering experiments at Materials & Life Science Facility, J-PARC2012

    • 著者名/発表者名
      Kenji Nakajima
    • 学会等名
      RIKEN Workshop on High-Resolution Spectroscopy with X-Rays
    • 発表場所
      和光市
    • 年月日
      20121114-20121115
    • 招待講演
  • [学会発表] RRM Based Techniques at Inelastic Instruments at MLF - Lessons Learned During Commissioning & Experiments -2012

    • 著者名/発表者名
      Kenji Nakajima
    • 学会等名
      Nikko Joint Conference between 10th International Conference on Quasielastic Neutron Scattering 5th Workshop on Inelastic Neutron Spectrometers
    • 発表場所
      日光市
    • 年月日
      20120930-20121004
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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