研究課題/領域番号 |
24510134
|
研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐甲 博之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40282298)
|
キーワード | ビーム損失 / 陽子 |
研究概要 |
平成24年10月より平成25年5月まで検出器自動位置制御架台により系統的なビームロス陽子飛跡の測定を継続したが、平成25年5月に起こったJ-PARCハドロン実験施設の放射線事故により実験は中止となった。 それ以降はこれらの実験で得られた各検出器配置における測定データのほぼすべての解析を行った。 IPAC(International Particle Accelerator Conference)2013、日本加速器学会年会にてこれらのデータ解析の結果を発表した。 これらの発表では、信号/ノイズ比が1/2以下とかなり小さいこと、放射化による検出器の経年劣化が観測されたことを報告した。また陽子飛跡のビーム軸に関する粒子の絶対レートの角度分布、ビーム軸方向のビームロス発生点の分布をJ-PARCリニアックでは初めて報告することができた。さらに飛行時間測定により、陽子のエネルギー分布も得ることができた。 また、リニアックエネルギーアップグレードのためのACS空洞設置のため、検出器をL3BT最上流部へ移動した。地上部までのケーブル敷設工事は平成26年8月に行われ、10月より実験が再開できる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では平成25年度末まで実験を行い、信号/ノイズ比の向上を行う予定であったが、J-PARCハドロン施設の放射線事故のため5月で実験が中止となった。一方当初は平成25年度で実験終了の予定であったが、原子力機構J-PARCセンターの資金援助もあり、平成26年秋より実験が再開できることとなった。 データ解析については順調にすすみ、陽子の角度分布、エネルギー分布等の結果が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度7月までは検出器の検出効率を理解するためのシミュレーション計算を行うことに重点を置く。さらに6月に行われるTIPP2014国際会議において解析結果の報告を行う。 また7-9月のJ-PARC夏季シャットダウン中にL3BT最上流部において検出器の再設置を完了させ、10月から実験を再開させる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度は5月に実験が中止となったため、当初購入予定であった消耗品(ケーブル、監視カメラ等)の使用予定がなくなった。また当初予定していた学会等の参加の旅費については、共同研究者が発表を行うことになったため、使用予定がなくなった。 来年度は本研究結果報告のためTIPP2014会議に参加し、またビームロスシミュレーションを共同研究している連携研究者を同会議に参加させるための旅費に使用する予定である。
|