金ナノ粒子二量体は,その粒子連結方向と入射光偏光方向が一致した際に,巨大な電磁場増強を引き起こすことが知られている.本研究では,巨大な増強を得るために,ナノトレンチを用いたセルフアセンブルによって方向が揃ったナノ粒子二量体アレイを基板上に生成した.入射光偏光方向と粒子連結方向が一致した際に最大のラマン強度が得られることを,実験による評価によって実証した。さらに,二量体間距離に最適値があることを明らかにし,構造の最適化を達成した。その結果,4,4'-ビピリジン分子を10 pMの極低濃度で検出することに成功し,また100 nMの溶液では0.2 sの短時間で検出できることを示した。
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