基板上の特定部位でグラフェンを真空下CVD成長させる手法を構築し、得られたグラフェンナノ構造を外気に暴露することなく走査型プローブ顕微鏡によって観察した。その結果、Cu薄膜上における成長初期段階では三角型と六角型の2種類のクラスタが出現するが成長が進むにつれて六角型のみとなり、特定の条件下ではその一部が横幅10nm程度のリボン構造となることが分かった。さらにプロセスが進行すると、表面に0.18~0.33nm程度の基本ステップを持つシート構造がスタッキング形成されるようになり、その局所仕事関数の値がスタッキング数の増加に伴ってグラファイトの仕事関数値に近い4.7eVに収束する様子が観測された。
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