研究課題/領域番号 |
24510170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
澤田 廉士 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40380589)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | MEMSセンサ / 血流量センサ / 畜産 / 接触圧センサ |
研究概要 |
発情状態の検知精度を向上させるMEMS血流量センサーとそのパッケージングの研究については、大型の電池内蔵可能でかつ低侵襲を可能な限り低下させるパッケージ3種類のモックを牛の膣に装着して、密着性を検討した。牛の体動による密着性に問題があり得られるデータにばらつきがあること、ましてや個体差のある中では難しくなることも予想していたが、実験の結果計画時点での予想通り、測定圧(接触圧)の測定ならびに通常のデータを取得し、その変化をみることにより密着性や再現性ならびに個体差による誤差の発生は大幅に改善することが分かった。 また、飼育環境に対応した超低消費電力化に関する研究では、光源としてこれまでの端面出射型半導体レーザから高出力・シングルモードのVCSEL(面発光レーザ)チップに置き換えて反射ミラー、レンズを省き、光伝達損失を低減(同時にMEMSセンサー部の小型化も実現)する計画であるが、その進捗については研究協力者の企業からのVCSELの供給が、次年度でないとできないことから、遅れている。もう一つの低消費電力化であるレーザの連続発振をパルス発振駆動に変更し、消費電力をさらに一桁低減する件では得られた信号をモデル化し、解析的に実現できるかの検討を行い、実現可能性が高いことが分かった。しかし、パルス駆動によって、実際の信号に基づいて得られる電気回路等も含めたノイズの影響がフーリエ変換等の結果にどう影響を与えるのか正確に見るには実際のデバイスでの実証を行うことが必須であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本科研費におけるセンサ作製における基本デバイスである面発光レーザ(VCSEL)チップに関しての研究協力者である企業からの供給が25年度からでないと対応できないことになり、光学系の部分の立ち上げが遅れている。次年度初めにその遅れを挽回する計画で進める。
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今後の研究の推進方策 |
当初、平成24年度研究実施予定であった以下の検討を優先して行い、更なる小型化に加え消費電力をさらに一桁低減させる。これまでの端面出射型半導体レーザを高出力・シングルモードのVCSEL(面発光レーザ)チップに置き換えて、反射ミラー、レンズを省き、光伝達損失を低減(同時にMEMSセンサー部の小型化も実現)する。レーザの連続発振をパルス発振駆動に変更し、消費電力をさらに一桁低減する。 また、発情状態の検知精度を向上させるMEMS 血流量センサーとそのパッケージングの研究についてはフィールド実証実験結果を、より反映させて発情状態の検知精度を向上させることと低侵襲を目的として行った血流センサーパッケージの最適化を行う。また、フィールド実証実験結果をより反映させて、発情状態の検知精度を向上させる血流センサーパッケージの最適化を行うとともに、飼育環境に対応したセンサーパッケージングを追究する。さらにはレーザ駆動を連続発振からパルス発振にしたとき、その後のフーリエ変換で得られるパワースペクトルの一次モーメントに及ぼす影響を明確にした結果を受けて、実際の回路設計と回路試作に反映させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本科研費におけるセンサ作製における基本デバイスである面発光レーザ(VCSEL)チップに関しての研究協力者である企業からの供給が25年度からでないと対応できないことになり、その光学系における研究費分(100万円?)を25年度に繰り越しをせざるを得なくなった。
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