研究実績の概要 |
2013年度に、発現量の比較をβ-actinで規準化して比較するためには、各プライマーの濃度を0.2 μM、β-actin のTAMRAプローブ濃度と発現量を比較する各遺伝子に対するFAMプローブの濃度比を1:2にするとよいことが確認されたため、2014年度はFAMプローブ濃度を0.2, 0.4 μM TAMRAプローブ濃度0.4, 0.8 μMの条件でそれぞれの発現遺伝子について比較をした。GAPDHについてはFAMプローブ0.2 μM、TAMRAプローブ0.4 μM と比べて、FAMプローブ0.4 μM、TAMRAプローブ0.8 μMで蛍光強度比が最大3.8倍、β-actinで最大3.7倍とGAPDHとβ-actinの相対蛍光強度比がより近い値になることが示された。細胞を含まないチャンバーの相対蛍光強度比もGAPDHでは多少ばらついているものの平均では1程度と検出できると示した。CD95についてはFAMプローブ0.2 μM、TAMRAプローブ0.4 μMで、それぞれの相対蛍光強度比は最大3.4倍であった。IL-2については相対蛍光強度比は最大3.8倍であった。FAMプローブ0.4 μM、TAMRAプローブ0.8 μMで最大5.6倍と相対蛍光強度比が濃度に依存して著しく増加していた。また、FAMプローブの濃度を濃くすると細胞を捕捉したチャンバーの相対蛍光強度比も著しく増加し、チャンバー毎に大きくばらついていることを確認した。P65については、相対蛍光強度比は最大2.3倍であった。 これらの結果から0.4 μM FAMプローブ、0.8 μM TAMRAプローブの条件では一個以上の細胞が捕捉されたチャンバーの相対蛍光強度比を増加させることが可能であった。
|