有機色素は発光・変色など優れた光学機能を示すものの、劣化しやすいことが欠点である。この問題を解決するため、生体の新陳代謝機能をまねて自己修復性を持つ光学材料を作製した。ポリジメチルシロキサン(シリコーン)ゴムにはナノサイズの自由空間が存在し、これを通って分子が固体中を移動する。この現象を利用すると、劣化した分子を新鮮な分子に置換することができる。このことを実証するため、フォトクロミック色素をゴム中に分散した可変色デバイスを作製し、着脱色を3万回繰り返して耐久性が向上することを示した。また、自己形成・修復機能を有する光信号接続の実験を行い、パルスの発生頻度に応じて信号が伝達されることを示した。
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