酸化物高温超伝導体は、層状ペロヴスカイト結晶構造を有する。その中でもBi2Sr2CaCu2O8+dは、2枚のCuO2面からなる超伝導層間に、SrO-BiO-BiO-SrOの4原子層からなる絶縁層が挟まり、ジョセフソン素子として動作する。結晶のc軸方向には多数のジョセフソン接合がアレイを形成している。さらに、高温超伝導体の高い超伝導遷移温度を反映して、超伝導エネルギー・ギャップが1桁大きいことから、交流ジョセフソン振動数の上限が、金属系の~1 THzに対して、10 THzへと拡がっている。これらが位相整合して発振させて、0.3~1THz周波数領域の新たな光源を試作した。
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