研究課題/領域番号 |
24510183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
圓川 隆夫 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (70092541)
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研究分担者 |
FRANK Bjoern 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (30467039)
鈴木 定省 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (50323811)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 顧客満足度 / 品質設計 / 文化 / 快楽的信念 / 実用的信念 |
研究概要 |
理性よりも感情に訴える方がCS(顧客満足度)に大きな影響を与えるという予備調査の結果から、特に感情およびその感情を引き起こすアクティビティに着眼し、使用製品の機能、それを用いた機能的ならびに情緒的アクティビティ、引き起こされた感情、そしてCSに与える影響、さらに個人の文化特性を調べる調査票を設計した上でアンケート調査を行った。調査は、携帯電話、Tシャツを対象とし、日本で行った。 日本での携帯電話を対象にした結果からは、アクティビティは感情を介して満足度へ影響を与えること、満足度を高めるアクティビティと不満足度を高めるアクティビティがあること、情緒的アクティビティの方が機能的アクティビティよりも満足度に与える影響は大きいことを検証した。また個人文化によってアクティビティは異なり、性別や年齢,職業以上の影響を与えるものでもあった.例えば「楽しむため」は集団主義が強く権力格差が低い人の方が強く出ている等、モデレータとして個人文化が大きく作用することを明らかにすることができた。 しかしながら、iPhoneとその他の携帯電話では、圧倒的にiPhoneの方がCSが高いにもかかわらず、その差はアクティビティの差では説明できず、アクティビティ以外の感情を生み出す要因の存在が示唆され今後の課題も明らかになった。またTシャツを対象とした同じ分析では、アクティビティがCSに影響を与える際に必ずしも感情を媒介しないこともわかり、製品による違いも影響していることについても確認出来た。 この他、国の文化によって好まれる製品機能・デザインが異なるという生産文化的な観点から、シャンプーを対象として、11ヶ国の同一ブランドの製品を比較する調査・分析も行い、特にサイズや機構等の日本との違いを明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に対して、目標は大体達成したが、1製品当たりのアンケート項目が大きく膨らんだために、1人の被験者に対して複数の製品・サービスの回答は断念せざるを得なく、結果として携帯電話とTシャツの2製品に絞り込んだ。一方、シャンプーについては、当初計画にはないが、これまでの研究の延長線上での生産文化を確認する調査・分析を加えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は日本を中心に分析を行ったが、今後、既に調査済みの海外データの分析を進め、国による文化の差の影響を主眼にした仮説検証を行う。また成熟国と新興国の差も見るために、米国またはドイツの先進国での調査も加える。さらに24年度シャンプーについて行った、実際に提供されている製品の機能・デザインの国による違いである生産文化的な観点の調査・分析も加える。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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