研究課題/領域番号 |
24510186
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小坂 満隆 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30508411)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | サービス価値 / サービス場 |
研究概要 |
(1)サービス場の数学モデルを構築する理論的な研究において、以下の成果を上げた。 ①サービスの特性を表わすサービス属性ベクトルを定義すれば、サービス提供者野提供するサービス属性ベクトルとサービス享受者の求めるサービス属性ベクトルの内積をできるだけ大きくする関係が、サービス価値を最も高くする。②この関係を、サービス仲介者が利用すれば、提供するサービスを最も高い価値で受け入れる顧客を見つけることが出来る。サービス仲介者(サービスメディエータ)への応用が有効である。③上記の成果を、以下の国際学会、ジャーナルで発表した。 ①A Mathematical Model of Service Value based on a Service Field Concept, (ACIS2012)②Value Co-creation with Customer through Recursive Approach Based on Japanese Omotenashi Service、(IJBA) ③Service Mediator Model for Value Co-Creation Based on Service Dominant Logic, (JSSM) ④ A SERVICE FIELD CONCEPT FOR SERVICE VALUE CREATION, (KMO2013) (2)能美市観光サービスへの応用 能美市観光サービスの一つとして、九谷焼陶芸祭りを取り上げ、祭りの参加者がどういう項目に対して価値を感じるかに関するアンケート調査を実施し、九谷焼の作成経験、九谷焼に関するコミュニケーション、九谷焼を取り巻く土着の知が、参加者が価値を感じる要素であることを明らかにした。今後、他の観光サービス(飲食など)の調査研究を行い、提案モデルと関係を分析して、サービス場の有効性を確認する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サービス場概念に基づく、サービス価値創造モデリングに関して、理論面、応用面で以下の成果があった。 (1)サービス場の数学的な理論モデルの構築に関しては、サービス提供者、サービス享受者のサービス属性ベクトルの内積をとることにより、サービス価値を評価できる新しいアイデアを構築し、ジャーナル論文を含め、学会発表を行った。理論面では、予定以上の成果があった。 (2)応用面での能美市の観光関係の調査研究では、九谷陶芸村祭りを対象にアンケート調査等を実施し、ユーザニーズを明らかにした。サービス価値創造モデルとの関連性の分析は、25年度以降に実施する。 (3)総合的に、おおむね順調に推移している。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度は、理論面で成果があったが、これを実際に応用面で有効性を評価し、学会発表につなげることを今年度の重点課題とする。このため、調査研究、他機関との議論による国内外出張、成果の学会発表、さらに、応用面での調査研究を重点化する。 具体的に、(1)サービス場モデルの広範な応用可能性を示す事例の検討、(2)能美市観光ビジョンにおけるサービス場モデルの有効性の検証、(3)関連する学会発表の推進、を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
(1)調査研究を推進する上で、学生アルバイトを活用する。70万円 (2)アジアで開催されるサービス関係の学会での成果発表と情報収集(4回、90万円) (3)国内、海外の研究者との情報交流経費(国内出張、海外研究者の滞在費補助)(5回、20万円) (3)関連する書籍、資料購入(5万円) (4)ジャーナル掲載料、学会参加費、英文チェック(5件、50万円)
|