(1)サービス場の数学モデルに関して、顧客とサービス提供者の形成するサービス価値が、顧客の要求するサービス属性ベクトルと提供者の提供するサービス造成ベクトルの内積で計算されることを示した。この定式化によって、サービス場の数学的な表現や共創プロセスの定量的な評価を行うことが可能になった。 (2)研究対象としているサービス価値モデリングに関して、アジアを中心とした大学との連携関係を構築した。具体的には、中国の北京航空航天大学、ベトナムのホーチミン大学、マレーシアのUSM,UKMである。これらの大学とは、ACIS(Asian Conference on Information systems)やICSSSM(International conference on service system and service management)などの学会で、サービスサイエンスに関するワークショップを行い、研究成果の交流を実施した。 (3)サービス価値創造モデルやプロセスの対象を、当初、観光と想定して進めたが、ITシステム開発やソフトウェア開発支援などの分野へ、幅広く適用できることを示した。そうした研究成果を、学会論文や国際学会で発表した。 (4)提案したサービス価値創造モデルの観光サービスへの応用に関しては、金沢、京都、仙台の観光サービス価値を、観光客のサービス要求特性に従って評価する方法を開発し、観光客の特性に応じたそれぞれの都市のサービス価値を定量的に評価できることを示した。
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