Hull and White(2006)のimplied copula modelとKijima and Muromachi (2000) の時価評価型リスク計測フレームワークを理論的に結合した,新たなリスク計測モデルを構築し,その成果を論文にまとめて学会等で発表した.モデルは予想通りの機能を持ち,価格に織り込まれた巨大損失の発生確率を反映したリスク量を算出した.モデルの結果によると,発生する巨大損失の大半は証券化商品の市場価格の大幅下落に起因し,デフォルトの発生による損失はそれほど大きくなかったが,これは金融危機時の実際の状況と整合的であった.また,関連研究でも多くの成果が得られた.
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