本研究は、作業者ごとの作業内容や負担と改善に関する知識を見える化(標準化)し、システマチックに作業改善支援が行えるシステムの開発をすることが目的である。平成26年度は、25年に決定した概念設計を元に「工程の標準化を支援し計画的な生産を支援するメカニズム」の考察を行った。 (1)作業手順書と標準作業票の求め方が違う2社を対象に段取り替え・組み立て作業・検査工程の現場調査を実施し、どのように標準化が行われているか考察した。現状作業“表準作業”を記録し表に入力することで改善箇所を示唆する“拡張”標準作業組合せ票を提案し、日本生産管理学会論誌に投稿した。拡張標準作業組合せ票と大野耐一が提唱した7つムダの関係を調べ得られた知見をAPIEMS2014(2014年10月)にて発表した。さらに、標準作業の求め方が違う2社の考察結果をまとめ、ICPR23(2015年8月)にて発表予定である。 (2)バーチャルファクトリを利用し3つの帳票(作業指示書・標準作業組合せ表・工程別能力表)を用いた工程管理が容易に実行できるか概念設計を行った。概念設計の概要をAPIEMS2015(2015年12月)にて発表し、システムの実装が終わった段階で国内の論文に投稿予定である。
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