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2013 年度 実施状況報告書

環境調和型プロダクト・サービス・ビジネスの設計支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24510207
研究機関早稲田大学

研究代表者

高田 祥三  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50120340)

キーワード経営システム / シミュレーション工学 / 循環型生産システム / 安全システム
研究概要

H25年度は,H24年度に得られた結果を基にして,以下の項目について研究を進めた.
(1) EcoPSS ビジネスの設計支援法の検討
EcoPSS ビジネスの設計手順として,既存ビジネスを環境調和型ビジネスに転換することを想定し,以下の手順を検討した.①既存ビジネスのLCA を行い,その結果に基づき,環境負荷削減に適したライフサイクルオプションを選択する.②選択されたライフサイクルオプションに対して,昨年度検討したライフサイクルオプションと提供方法の対応表を基に,ライフサイクルオプションの効果を高めることができる提供方法案を作成する.③候補案を次項で説明するライフサイクルシミュレーションにより評価し,有効なビジネス案を選定する.また,この設計手順を,洗濯機やノートPCに適用し,その有効性を確認した.
(2) EcoPSS ビジネス評価のためのライフサイクルシミュレーション(LCS)の開発
EcoPSS ビジネスのような複雑系のシステムの定量的評価には,シミュレーションを用いることが有効である.これまで,循環型生産における製品ライフサイクルの各段階でのマテリアルフローを評価するためのLCSシステムを開発し研究に活用してきたが,H25 年度では,これをEcoPSS ビジネスの評価に利用できるように改造を行った.具体的には,機能提供の構成,契約形態などの提供方法の違いが,ライフサイクルオプションの実行率(例えば適正使用なら,その実施率)を変化させるメカニズムをシステムに組込み,提供方法を変化させることで,ビジネスに組込んだライフサイクルオプションが環境負荷とコストに与える影響を評価できるようにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年に関しては,研究計画として以下の2項目を掲げた.
(1) EcoPSS ビジネスの設計支援法の検討
(2) EcoPSS ビジネス評価のためのライフサイクルシミュレーションの開発
研究実績で述べたように,(1)については,ほぼ順調に研究が進んでいる.昨年度は提供方法の整理とそのライフサイクルオプションの実行率への影響を分析したが,それを基に具体的に設計支援の手順を検討することができた.なお,昨年度は,提供方法とライフサイクルオプションの関係を整理したが,その関係に例えば移動可能性などの製品特性の違いを明示的に反映させることはしなかった.これに対して,今年度は製品特性とライフサイクルオプションの関係を整理し,製品特性を指定することで選択可能なライフサイクルオプションを絞り込むメカニズムを明らかにできたことは,プラス点と考えられる.
また,(2)のライフサイクルシミュレーションシステムに関しても,機能追加と新OSへの対応に関して,予定通り改造を進めることができた.

今後の研究の推進方策

H26年度も,それまでに得られた結果を基に,以下の項目について研究を進める.
(1) EcoPSS ビジネス設計支援システムの開発
(2) マネージド・ドキュメント・サービスを例にしたケーススタディの実施
(1)に関しては,H25年まで検討をしてきたEcoPSS ビジネス設計支援法に基づき,設計支援システムを開発する.システムは,製品特性や顧客特性を加味しながらライフサイクルオプションと提供方法の組合せ候補を生成する部分と,ライフサイクルシミュレーションと近似最適化手法による評価・最適設計支援の部分から構成する.
(2)では,開発した設計支援システムを,文書管理機能を提供するマネージド・ドキュメント・サービス(MDS)の環境調和性向上のための設計に適用し,その有効性を検討する.大学の教育・研究の場を想定し,必要とされる印刷・文書管理機能を提供するMDSを考える.ケーススタディは以下の手順で進める.
① 教育・研究で必要とされる印刷・文書管理機能,およびユーザタイプと行動様式を調査し,ニーズを定量化する.② 特定された様々なニーズを満足させるために提供すべき文書管理機能を設定するとともに,それを実現する製品とサービスの組み合わせを検討する.③ 機能提供に必要な製品に関して,ライフサイクルオプションおよび提供方法の組み合わせを検討し,それを具体的に実現するライフサイクルシナリオを記述する.④ 設定したライフサイクルシナリオを,ライフサイクルシミュレーションにより,コスト,環境面で評価し,優れたシナリオを選択する.⑤ 上記の手順で実施した評価結果を基に提案する設計支援システムの有効性を検討するとともに,残された問題点を整理し,設計支援システムの実用化に向けた課題を明確にする.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Module Reconfiguration Management for Circular Factories without Discriminating between Virgin and Reused Products2013

    • 著者名/発表者名
      K. Urano, S. Takata
    • 雑誌名

      Proceedings of the 20th CIRP International Conference on Life Cycle Engineering

      巻: 2013 ページ: 603-608

    • DOI

      10.1007/978-981-4451-48-2_98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BOM based supply chain risk management2013

    • 著者名/発表者名
      S. Takata, M. Yamanaka
    • 雑誌名

      CIRP Annals - Manufacturing Technology

      巻: 62/1 ページ: 479-482

    • DOI

      10.1016/j.cirp.2013.03.039

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Maintenance-centered Circular Manufacturing2013

    • 著者名/発表者名
      S. Takata
    • 雑誌名

      Procedia CIRP -2nd International Through-life Engineering Services Conference-

      巻: 11 ページ: 23-31

    • DOI

      10.1016/j.procir.2013.07.066

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ライフサイクルメンテナンス 合理的設備ライフサイクル管理の実現技術2013

    • 著者名/発表者名
      髙田祥三
    • 雑誌名

      検査技術

      巻: 18/11 ページ: 1-7

  • [学会発表] モジュール組合せマニュファクチャリングのためのモジュール単位モデルチェンジ計画2014

    • 著者名/発表者名
      金 和寛,髙田祥三
    • 学会等名
      2014年度精密工学会春季大会学術講演会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20140318-20140320
  • [学会発表] 機器運用段階での特異故障抽出法2014

    • 著者名/発表者名
      木村雄太,髙田祥三
    • 学会等名
      2014年度精密工学会春季大会学術講演会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20140318-20140320

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公開日: 2015-05-28  

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