研究概要 |
平成24年度は製品のアーキテクチャに着目し,生産技術や製品の機能・構造に関する設計情報を持続的に管理するためのデータベースシステムの開発を試みた。このシステムでは異種情報を関連づけた複数の表を用意し,異種情報間の参照をリアルタイムで行う機能を持つ。具体的には参照対象とする生産情報には,製品の部品表(e-BOM),要求特性(機能),技術機能(機能を実現するための技術),品質要求,作業の品質情報,計画情報などを想定し,各情報を関連付ける2次元テーブルを組み合わせ,表を選択することで必要な情報を逐次参照し,部品や製造情報を改良する仕組みを持つ。これより,キーとなる情報に着目することで,特定部品と機構に関して製造方法や製品構造の改良,保有技術の長期的な発展とその技術に関連する持続的な製品開発のプロセスの管理を実現できる。本システムでは生産情報に利用して以下の処理を実行するサブシステムを連携する。 (1)製品の機能と環境負荷を同時考慮するモジュールの設計システム (2)製品設計段階で作業困難さを評価するとともに作業順序を生成するシステム (3)製品の要求機能から,製品の構造や機構を具現化する意思決定を支援するシステム 今年度の研究では,(1)から(3)について具体的な方法の提案,情報システムの設計を行い,各サブシステムを連携する2次元テーブルの設計と製品の設計段階での運用(改良)プロセスを開発した(現在開発中である)。また,持続的な製品開発のための製品プラットフォームと技術プラットフォームの適用法を提案し,情報システムの運用法を示した。本研究では作業方法を評価し,部品配置を自動設計するためのアルゴリズムの開発を予定している.さらに本年度は効率的な探索を行うための多目的進化型アルゴリズムを開発し,配送計画問題に適用しており,次年度以降に部品配置の自動設計に対するアルゴリズムに拡張予定である。
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