研究課題/領域番号 |
24510217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 孝夫 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (00280264)
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研究分担者 |
坂本 眞人 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50196101)
池田 諭 宮崎大学, 工学部, 准教授 (70282796)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
平成24年度の実施計画としては、計画通りにマツダグループ企業の取引データや持株データなどを収集し、ヒアリングのための企業訪問も行った。The SPA Model関連の論文を検討し、空間距離や中心状況の計算プログラムを完成させた。まず、タイのバンコクで行われたInternational Conference on Marketing Studiesで国際戦略ネットワークにおける企業の協力の原因とその結果に関する論文を発表した。次に、韓国のDaejeonで開催されたArtificial Life and Robotics国際大会で、オートマトンの手法を用いて、3次元と多次元空間の工学の性質に関する研究(3本)を発表した。さらに、盛岡で行われた国際学会International Conference on Integrated Systems and Management for Energy, Development, Environment and Healthで、埋め込み空間における連結情報と空間距離などを計算したばかりでなく、企業の経営成果である売上高と経常利益との関連分析をメインテーマとするAn Analysis of Inter-firm Distances and Corporate Performance using DEC Spatial Modelなどの論文を発表した。 そのほか、九州大学大学院経済学研究科の経済学工学リサーチワークショップのほか、北京のThe 3rd International Conference on technology and Application of Internet of Thingsと日本技術士会中国本部情報・経営工学学部会講演会で、それぞれ空間ネットワークとその応用の最先端の研究成果について講演した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の目的は主に1)データ収集と2)The SPA Modelの検討および3)論文発表の三つに分けられる。1)のデータ収集については、基本的に計画通りに完成している。2)のモデルの検討についても、3次元埋め込み空間構築をはじめ、ネットワーク組織の効率の測定、中心状況(連結度、近接度、間隔度を含む)や構造指標(密度、ケイパシティ、影響力、有効規模等、空間ユークリッド距離を含む)の測定を、計画通りに実施することができた。その結果、3)3本の国際ジャーナルと7本の国際学会発表論文のほか、3回の招待講演を実施した。ただし、3D Network-based Topological Data Modelの検討については、計画よりやや遅れているが、計画全体の実施には大きな影響を与えないものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究成果をベースに、新たなモデルの構築を行う。同時に、3D Network-Based Topological Data Modelを取り上げ、埋め込み空間における企業グループ(マツダ洋光会)とその構成メンバーのサイズ、影響力等の指標を測定しながら、グループの構造分析を行う。また、経営成果との関連を検証し、合理的な構造を解明する。研究の実施計画は次の通りである。 平成25年度の研究実施計画 25年1月から12月まで、埋め込み空間におけるマツダ企業グループのサイズ、速度、影響力等を測定するため、3D Network-based Topological Data Modelの計算プログラムを開発し、埋め込み空間におけるマツダ企業グループの構造変化による影響と企業の経営成果との関連を分析する。また、2007年度の萌芽研究と2009年度の基盤研究(C)で得られた結果をもとに、2次元と3次元空間における中核企業と非中核企業の戦略的行動パターンの比較研究を実施する。 平成26年度の研究実施計画 26年3月から27年2月まで企業の戦略的行動の時系列的な傾向を把握するために、各モデルの22年間の時系列分析を行う。また、モデル間の計算結果を比較し、定性分析と計量分析の融合を目指して、新たな理論開拓を試みる。11月からは、論文作成と最終的な研究報告書を作成し、すべての研究成果を発表し、公開する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度国際学会発表は海外で行うことを計画していましたが、AROBの国際会議は隣の韓国で、WSEASの国際学会会議は日本国内で開催したため、旅費などの支出部分は当初の計画と一部ずれが生じた。また国際ジャーナルへの投稿費用は次年度ずれ込むなどが生じた。さらに、GISの代わりに、SPSSの解析用ソフトを購入したため、GISのバージョンアップ費用は発生しなかったため、予算を完全に消化することができなかった。しかしながら、7本国際学会発表はすべて国際ジャーナルへの投稿の推薦を受けているため、この部分の予算は次年度で消化されることや、GISのバージョンアップの購入費用を考えると、特に問題はないと考えている。
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