研究課題/領域番号 |
24510217
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 孝夫 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00280264)
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研究分担者 |
坂本 眞人 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50196101)
池田 諭 宮崎大学, 工学部, 准教授 (70282796)
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キーワード | DEC空間モデル / Network-Based DEA / 効率基準の平方値 |
研究概要 |
計画通りに、Spatial Graph Modelなどの空間グラフの関連論文を収集し、埋め込み空間におけるマツダ企業グループの速度や影響力などを測定し、企業の経営成果との関連分析を行った。具体的には、DEC空間モデルをはじめ、IDCBI空間モデル、Network-Based DEAモデル等を開発し、企業間の空間距離、個別企業の連結度、有効規模、ケイパシティなどの指標の測定を行った。また、ネットワークベースの相対効率を計算し、個別企業の効率を判断できる「効率基準の平方値」を開発した。 本研究の結果として、1)連結度をはじめ、有効規模、ケイパシティなどのネットワーク指標は企業グループと個別企業の経営成果に大きな影響を与えていることを明らかにしたので、ネットワークの各種の指標を予測すれば、各企業の経営成果を計画通りに実現することができる。2)DEAという相対的な効率よりもネットワークベースの効率の測定が重要であることを証明することができた。ネットワークベースの効率をベースとする個別企業の効率基準の平方値は売上高との間に強い正の相関関係を実証できたので、効率基準の平方値への影響要因を解明すれば、個別企業の売上高などの経営成果を改善することができるので、企業の経営戦略にとって大きな意味を持つ。3)ネットワークをベースとする空間距離と経営成果との間に一定の法則を明らかにすることができたので、企業間空間距離を測定すれば、企業の経営成果を予測することができる。 本年度の研究はマツダグループにおける埋め込み空間を構築し、埋め込み空間における企業グループと個別企業の行動を解析し、企業の経営成果との関連を解明できた。また、トヨタグループなどとのグループ間の比較を行い、空間距離、効率基準の平方値と経営成果の間の法則を発見することができたので、企業経営に大きな意味を持つものであるといえよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空間グラフ理論を用いた本研究に関する埋め込み空間の企業間関係をはじめ、効率、速度と加速度などのネットワーク指標と企業グループと個別企業の経営成果との関係を解明することがほとんど計画通りに実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度中、時系列のデータの収集はほとんど完了したので、企業の戦略的行動の時系列的な傾向を把握するために、来年度からは各年度のネットワーク指標を計算すると同時に、ネットワークの時系列的な分析を行い、今までのモデル間の計算結果に関する比較を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していたジャーナルへの投稿は、データ収集のため、予定より遅れている。そのため、投稿費用は次年度に計上する必要がある。 繰り越しの費用については、今年度に発表した14本の学会発表(招待講演を含む)をジャーナルに投稿するので、基本的に投稿費用として使う予定である。
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