研究課題/領域番号 |
24510219
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研究機関 | 一般財団法人ファジィシステム研究所 |
研究代表者 |
玄 光男 一般財団法人ファジィシステム研究所, 研究部, 特別研究員 (20095003)
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キーワード | 進化計算法 / メータヒユーリスティクス / 多目的最適化モデル / 不確実環境のスケジューリングモデル / ハードディスク生産システム / 物流ネットワークルーチング / リバースロジスティクスネットワーク |
研究概要 |
本研究は,研究代表者らが10数年に渡って研究開発を続けてきた進化計算法を活用して,実践的な応用研究として最適な生産スケジューリングや物流ルーチングのアルゴリズムの研究開発を目指すものである.今年度の研究実施実績は次の通りである. (1)新しいハイブリッド型多目的進化的アルゴリズムの研究開発。研究代表者らはこれまでの単一目的型進化計算法の研究成果を発展させて,最新のハイブリッド型多目的進化的アルゴリズム、例えばEDAやPSOの優れた探索機能の特徴に,従来の遺伝的アルゴリズムの概念と組み合せた新しいハイブリッドサンプリング政策型進化計算法を開発提案し,ベンチマーク問題等でそれらの有効性を比較して,最適生産計画・スケジューリング問題等に対する最良解の有効性を向上させる手法を開発した. (2)ネットワークモデルに基づく生産計画・物流ルーチング問題の事例研究からの最適化研究。研究代表者らがここ数年に渡って続けてきた事例研究問題であるハードディスク生産システムの最適化スケジューリング、農産物の物流ルーチング、リバースロジスティクスのネットワークモデルと進化最適化を融合した実践的な研究開発を行った. (3)不確実な最適生産計画・スケジューリング問題のハイブリッド型進化計算法の応用研究。生産・物流システムの製造・配送過程で発生する不確実的要因を確率分布やファジイ数で表わし、取り扱う問題の最適化数学モデルを定式化し,ハイブリッド型進化計算法で実践的な応用研究を行った.本年度は新たなハイブリッド型多目的進化計算法を不確実環境下のジョブショップ・スケジューリング問題や多目的最適生産ラインバランシング問題に応用開発し,国際会議で提案報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者ら(1) 新しいハイブリッド型多目的進化的アルゴリズムの研究開発の総括した研究論文と応用事例をJournal of Intelligent Manufacturingに,(2) ネットワークモデルに基づく生産計画・スケジューリング・物流ルーチング問題の事例研究からの最適化研究をComputers and Electronics in AgricultureとMultimedia Tools & Applications誌にそれぞれ刊行し,更に (3)不確実な最適生産計画・スケジューリング問題のハイブリッド型進化計算法の応用研究を国際会議CAS2013 (Complex Adaptive Systems)で研究発表している.
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今後の研究の推進方策 |
ステップ1: これまでの研究成果であるハイブリッド型進化的アルゴリズムを基盤にして,生物の進化現象をシミュレートしたアルゴリズム(遺伝的アルゴリズム: GA,分布推定アルゴリズム: EDA, 粒子群最適化: PSO等)の特性分析や適用性を解析し,不確実環境下の生産計画・スケジューリング問題の実時間に対処できる新しいハイブリッド型多目的進化計算法の研究開発を総括する. ステップ2: 前のステップで総括した不確実的要因を伴う最適生産計画やスケジューリング問題の数学モデルと有機的に結合して,生産システムや物流ネットワークの実用規模での不確実環境下の最適化スケジューリング問題等に対応できる効率的なハイブリッド型多目的進化計算法の実証研究を行う.
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