研究実績の概要 |
本研究は,遺伝的アルゴリズムをベースにした進化計算法の開発と最適スケジューリング及び物流ルーチング問題への応用に関する研究開発と, 更に不確実環境下の最適生産計画・スケジューリング問題を解くために実践的な進化計算アルゴリズムの設計研究を目指すもので,研究実施の実績は次の通りである. 1) 多目的型ハイブリッド進化的アルゴリズムの研究開発.研究代表者らはこれまでの多目的型ハイブリッド進化的アルゴリズムの拡張版として,最新の分布推定アルゴリズム(EDA)や粒子群最適化(PSO)の優れた探索機能の特徴と,共生型遺伝的アルゴリズムの概念と組み合せた新しいハイブリッドサンプリング戦略型多目的進化計算法(HSS-MoEA)を提案し,最適生産計画・スケジューリング問題に対する最良解の有効性を向上させた研究成果を学会誌に発表した. 2) 先端的進化計算法に基づく実践的な応用研究事例の生産計画・スケジューリング開発.昨年度のネットワークモデルに基づく生産計画・スケジューリングを発展させ, ハードディスク(HDD)とパーネルディスプレイ(TFT-LCD)の最適生産スケジューリングの事例研究問題,更に半導体デバイスの最終検査スケジューリングの事例研究問題を,それぞれ先端的進化算法を融合した実践的なアルゴリズムの研究成果を学会誌に発表した. 3) 不確実な最適生産計画・スケジューリング問題のハイブリッド型進化計算法の研究開発.生産・物流システムの製造・配送過程で発生する不確実的要因を確率分布で表わし,取り扱う問題の数理計画モデルを定式化し,ハイブリッド型進化計算法で実践的な応用研究を行った.本年度はハイブリッド型多目的進化計算法(HSS-MoEA)と多目的EDAを不確実環境下の組立てラインバランシング問題や多目的資源制約付きのプロジェクトスケジューリング問題にそれぞれ応用し,国際会議で報告した.
|