研究課題/領域番号 |
24510220
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松本 光崇 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 主任研究員 (00443226)
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キーワード | リマニュファクチャリング / 製品サービス / 資源循環 / 製品ライフサイクルモデル / 自動車パーツ / 複写機 |
研究概要 |
製品リマニュファクチャリング(リマン)の社会普及シミュレータの構築に向けて、本年度は、第一に、昨年度に引き続き製品リマンの現状把握を目的とした企業インタビューを実施し、昨年度の調査内容と併せて、特に製品のサービス化との関係に焦点を当てた現状分析を行い国際会議発表の成果とした。 また、これまでの調査を踏まえて、リマンの成立条件と成功要因を検討し、条件として、1) 使用済み製品(コア)の収集、2) 効率的な再生工程の実現、3) リマン製品の需要の開拓、が挙げられることを示すとともに、生産管理の観点からはタイミングの不確実性の問題、特に使用済み製品の収集のタイミングと、リマン製品の需要のタイミングの不確実性への対処が重要な要件であることを明らかにした。 以上を踏まえて、本年度はリマンの中で代表的な対象である自動車パーツのリマンに焦点を当て、具体的な検討を実施した。その中で、上の要件抽出で明らかとなったタイミングの不確実性の問題に焦点を当てて、リマン製品の需要タイミングを抽出するための時系列分析モデルの適用手法を検討した。検討手法について、自動車パーツのリビルド企業の協力を得て企業の実際のデータに適用し、その効果と妥当性の検証を実施している。さらに、自動車パーツのリマンに焦点を当てる上で、その国内市場の実態が明らかではないことから、市場規模の把握を目的としたWebアンケートを実施した。これらの結果を次年度に成果発表するとともに、シミュレータ構築につなげる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標項目のうちの二つである、ケーススタディを通じた国内のリマニュファクチャリングの現状の把握と、リマニュファクチャリングがビジネスとして成立するための条件・成功要因の分析について順調に実施してきたと考える。またもう一つの目標項目である普及シミュレータ構築についても、対象製品を自動車パーツとして選定し、そのデータ収集を進めており、全体として概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
リマニュファクチャリングの代表的な対象である自動車パーツに焦点を当て、普及分析シミュレータの構築に向けて、市場の現状の把握を含めたデータの整備と分析、要素モデルの構築、全体モデルの構築を実施していく。また併せて他の製品への展開の可能性を検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでの二年間の実施期間のうち、主務が出向であった期間があり(一年二か月間)、その間エフォート率が予定よりも低いものとなったことが主な要因である。その後の期間のエフォートと予算使用は順調に推移している。 主にデータ整備のための調査と研究成果発表のための英文校正費等に使用する計画である。
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