研究課題/領域番号 |
24510221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
川村 武 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80234128)
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研究分担者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 暴風雪 / 悪視界 / ナビゲーション / RF-ID |
研究概要 |
北国冬季間特有の降雪による悪視界下での車両のナビゲーションシステムをRF-ID(Radio Frequency Identification)タグ,アンテナ,リーダライタなどから成るシステムを用いて構成し,実用化を図るためことを目的としている。平成24年度は研究計画遂行の初年度であるため,まず基本的な実験を行うとともに実験環境を整えることとした。 1) UHF帯のRF-IDタグをアスファルト道路に埋設した場合の実験道路上での交信条件を踏まえて,直線道路上の誘導の車両誘導のためのRF-IDタグの配置を考えた。特に2アンテナシステムに適したRF-IDタグの配置を考えて,実験道路上に埋設し走行実験を行い,良好な結果を得た。 2) 降雪による悪視界環境の再現のため,気泡梱包材を運転者側のフロントウインドウ及びサイドウインドウおよびリアウインドに貼り付け,運転席と助手席の間にカーテン状に間仕切りをすることにより,運転席からの視界を遮断した。これにより本研究の誘導システム以外は運転席からは外の状況が確認できない環境を作った。ただし,実験の安全確保のために助手席の視界は得られるようにしており,さらに外からの指示がわかるように助手席の実験者にはトランシーバで屋外監視員と連絡が取れるようにしている。 3) 2アンテナシステム用に運転指示用のGUI(Graphical User Interface)等のプログラムを改良し,走行実験時に行いつつ,さらに見直しをした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関係規則の改正に基づき,平成24年度8月にソフトバンクより周波数帯移行手続きの通知があり,当初は平成24年度中に現有システムの全てを入れ替えることとなっていた。しかし,相手側の作業が遅れ,平成25年5月現在でもシステムの入れ替え作業は行われていない。昨年度は,新システムにすぐに入れ替えるとのことであったため,新システムに対応した実験線の構築やシステムの修正を念頭に現有システムに関わる改良や新たな実験線の作成などは必要最小限に留めた。現在も新システムの本実験環境下での交信範囲などが全く不明であり,実験線のRF-IDタグの埋設間隔など,本研究を構成する要の部分を決められずにいる。無駄な支出を抑えるため,実験線の新設や装置周辺部分の改良なども新システムに移行してから行うようにしたため,計画が全体的に遅れぎみである。
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今後の研究の推進方策 |
1. UHF帯RF-IDシステムが新周波数帯に移行したのち,新システムの基本的な性能の把握および本研究特有のアスファルト中のタグとの交信範囲などの再測定が必要となる。さらに交信範囲が変わることが想定されるため,既存の実験線が使えなくなる可能性もある。このため,実験線を全て作り直さなければならない可能性もある。 2. 新システムの納入時期が現時点で不明であるため,項目1)と並行して交差点での誘導を見据えたRF-IDタグの配置などを検討する。 3. 新システムの交信範囲などが確認できた後に,直線部分の誘導実験から始めて,交差点などのほかの車線が入る環境を作り,実験を行う。 4. 新システムに合わせたプログラムの修正などを行う。また交差点誘導に関わるプログラムの修正も検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
関係規則の変更による新周波数帯への移行が平成24年度中に予定されていたため,平成24年度は新システムが導入された後に新たな実験線の作成,装置周辺部分の改良などを予定していた。しかし,担当会社の都合により,まだ平成25年5月現在も新周波数帯のシステムが納入されていない。このため,平成24年度の研究費が全て使われていないが,平成25年度は新システムに合わせた実験線の設置や装置周辺部の改良などの消耗品費および平成24年度に得られた成果の発表のための旅費などに研究費を充当する。
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