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2013 年度 実施状況報告書

霧中航行における衝突回避判断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24510226
研究機関神戸大学

研究代表者

渕 真輝  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (20362824)

研究分担者 藤本 昌志  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (70314515)
臼井 伸之介  大阪大学, その他の研究科, 教授 (00193871)
キーワード霧中航行 / 船舶 / 衝突回避 / 判断 / ヒューマンファクタ
研究概要

船舶は霧中においてもレーダー等の機器により他船等の存在を認知しながら航行できる。しかしながら霧中における衝突事故が後を絶たないことから、本研究ではヒューマンファクタの面から研究を進めている。
昨年度実施したヒアリング調査内容について学会で報告した。またヒアリング調査を基に予備質問紙調査を実施した。国内航路の船舶操船者を対象に予備質問紙調査を実施したところ、①相手船が視認できる場合と視認できない場合の海上交通ルールの理解が曖昧である可能性、②右に進路を変える場合も左に進路を変える場合も衝突回避時機が変わらない可能性、③ルールと反する左に進路を変える心理的背景として心理的に楽な判断をしている可能性、④航海計器を正しく使いこなせていない可能性が指摘された。②については①と密接な関係があり、本来左に進路を変えようとするのであれば海上交通ルールを適用せずに済む、相手船までの距離が遠いタイミングで行うべきである。③についてはルールを守るかどうかという判断の背景にリスクを取りたいという心理要因があることを示唆していると考えられる。また④については、法により講習受講を義務付けられていない者がいることも背景にあると推測されるが、ベクトルの意味さえ理解できれば有用な使い方ができることを知らないことは、すなわち企業の安全対策を検討する必要性があることを示唆していると考えられる。
予備質問紙調査では想定する船舶として総トン数499トン型貨物船を想定させていたが、想定させた船舶と甚だ異なる大きさの船舶を操船する協力者からは、実際を想定し難いとの意見が相次いだ。このことから再度質問紙調査のの内容について検討を行い、問題を解決した質問紙を作成した。この質問紙を使用する調査を本調査として調査を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画していたリスクテイキングや違反に関する文献調査は順調に実施している。
一方で初年度に遅れた質問紙の検討・作成が遅れたこと、作成した質問紙を利用したところ想定させる船舶について大きな問題を生じたことが遅れている主な原因である。さらに本調査の実施を始めたが、始めるに当たり新たな協力者との合意に時間を要したことも上述の達成度と判断するところである。

今後の研究の推進方策

これまでの協力者および新たな協力者の協力を得て本質問紙調査を開始している。計画書にも記載している中国海技学院(現:広島海技学院)では講習会の場を利用して調査を継続していただいている。その他について船舶安全監査において乗船中の船員に、また船社では安全講習中に、またコンサルティング会社でおこなわれている講習会の場にて調査を実施させていただいている。これらの活動が頻繁に実施されているわけではないため船員にアクセスするために時間を要しているが、確実に調査が進展している。取得データについては資料整理の者を雇用し順次入力する予定である。教育プログラムについては昨年度から学生向けに試行を開始している。予備質問紙調査のデータについては学会シンポジウムで発表予定である。また本調査のデータについても部分的に学会で発表することを検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 操船者のレーダーによる衝突回避判断の特徴と課題2014

    • 著者名/発表者名
      渕 真輝
    • 学会等名
      日本人間工学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-06-05 – 2014-06-06
  • [学会発表] 視界制限状態での航行に関するヒアリング調査2013

    • 著者名/発表者名
      渕 真輝
    • 学会等名
      日本海洋人間学会
    • 発表場所
      東京海洋大学品川校舎白鷹館
    • 年月日
      20130928-20130929

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公開日: 2015-05-28  

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