研究課題/領域番号 |
24510254
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小田 和広 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00185597)
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研究分担者 |
小泉 圭吾 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10362667)
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キーワード | 斜面防災 / 飽和不飽和浸透流解析 / 豪雨防災 / 道路斜面 / 数値解析 / 模型実験 |
研究概要 |
斜面崩壊に関する模型実験を継続して実施し,降雨による雨水浸透に伴う斜面の崩壊過程に関する検討を行った.その結果,斜面が飽和するまでの過程と浸透流の発生後崩壊に至るまでの過程を区分して考慮することの妥当性が認識された.但し,浸透流が発生する前に斜面崩壊が発生する事例も観察された.そのため,前年度開発した飽和状態における斜面崩壊に関する解析コードを不飽和状態も考慮できるように拡張した. また,斜面崩壊を誘発する降雨について,近年の気象状況の分析を行った.その結果,局所的な集中豪雨が多発していることが分かった.HYDRUSによる一連の数値解析によって,斜面の浸透特性におよぼす降雨特性の影響を検討した.その結果,斜面を構成する土の飽和時透水係数が降雨強度より小さければ,ほとんど浸透しないことが分かった.但し,透水性の良い土と透水性の低い土の互層で構成される斜面の場合,透水性の良い土層に湛水した降雨が長期にわたって浸出し,透水性の悪い土の含水比を増大させ危険性を高めることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の成果に基づき,飽和に至る過程は市販の解析プログラム(HYDRUS)に受け持たせることができた.但し,完全に飽和過程に達する前に斜面崩壊が発生する事例が事例収集の過程や模型実験で観察されたため,前年度の方針を変更し,前年度に作成した飽和状態における斜面崩壊に解析コードを不飽和過程も考慮できるように拡張した. なお,前年度は当初の計画以上に研究が進んでいたため,本研究は概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
先に述べたように,当初計画通りに進行している.本年度の具体的な計画は下記の通りである. ①実際に斜面崩壊に至る事例は少ない.このため,まず,現在,現場計測が継続的に行われいている斜面について,降雨による土中水分の変化をHYDRUSによって再現する. ②①で解析対象とした斜面について,HYDUSによって,仮想的に浸透流が発生するような状況をシミュレートする.その際の気象条件などについて考察する. ③①で解析対象とした斜面について,②の状況を参考にしつつ,筆者らが,開発した解析コードを使って,崩壊に至る過程をシミュレートする.その結果を考察する. ④道路構造物と崩壊の関係から,斜面崩壊が道路のサービス水準に与える影響について検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究実績にあるように,平成26年度土木学会関西支部年次学術講演会(5月31日開催)へ2件の発表を予定している.その発表申込みが平成26年の3月1日であったのでそれと同時に投稿料の支払いを行った.その精算のため. 平成26年度土木学会関西支部年次学術講演会の発表投稿料および振込手数料をして使用する
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