最終年度では、本申請研究の「応用フェーズ」、「高度化フェーズ」について検討を行った。「応用フェーズ」では、実地形への応用、津波発生モデル検討を行った。この中で、富山湾全域を対象とした津波計算をマルチGPUを用いた並列計算により実現し、計算メッシュ数が2千万点を超える大規模計算を数分で行えるシミュレータ開発を行った。また津波発生モデルについては、今後比較的大規模地震が起こる確率が高いと言われている呉羽山断層帯を考慮に入れたエリアで津波が発生させ、津波の陸上遡上エリアの予測を行う事が出来た。「高度化フェーズ」については、本成果を広く公開する部分になるが、これはWebサーバを立ち上げることにより、本研究成果の公開を行った。 研究機関全体を通して実施した研究としては、適応格子法を用いた津波シミュレーションモデルの開発、GPUシステムを用いたスレッドベースでの津波シミュレーションの実現、マルチGPUを用いた大規模でかつ高速な津波シミュレーションモデルの構築が挙げられる。また、実験室レベルでのモデル検証だけではなく、5メートルという高解像度な地形データを利用する事で、津波遡上の範囲をある程度予測できるようになった。さらにGPUを用いることにより、それらの計算を数分で実現する事ができるようになった。CPUで動作する津波モデルや、GPU1台で動作するモデル、複数のGPUで動作するモデルが本研究課題の中で構築された。 今後は、将来的にこれらのソフトウェア公開を見据え、本研究の中で作成したWEBページ上で成果を随時公開していく予定である。
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