研究概要 |
津波における立木の根返り抵抗性を評価するため,クロマツ林において立木の引き倒し試験を実施し,根返り抵抗モーメントと立木の各要素(胸高直径D,樹高H,材積指標D2H,形状比H/D)との相関を分析した。その結果,立木はDおよびD2Hとの相関が高いことがわかった。また,津波における立木の幹の強さを評価するため,クロマツのヤング係数を測定したところ,その値は 8.7GPaであった。これらの値を用いて,幹折れまたは根返りが発生するときの流速(限界流速)を計算する基礎モデルを構築した。 雪崩に対する森林の抵抗性を評価するため,雪崩に対して,立木がどの程度のひずみエネルギーを蓄積するかを評価した。その結果,直径の増加に伴って幹に蓄積されるひずみエネルギーも増加するが,同じ直径ならば雪煙層密度が高い方が幹に蓄積されるひずみエネルギーは高くなることが示唆された。また,雪煙層密度を一定にした場合は,流れ層の密度が低いほうが,蓄積されるひずみエネルギーはわずかながら高くなった。
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