本研究では現地の地上、高層気象観測、衛星観測及び気象庁長期再解析データ(JRA-55/JCDAS)を用い、赤道域季節内変動(MJO)がインドシナ半島で集中豪雨の発生に与える影響の研究を行った。この地域豪雨の原因と考えられてきた冬期モンスーンと西進熱帯擾乱に加えて、インド洋から発達したMJOの東進が広範囲に持続的豪雨をもたらした要因の一つであることが見いだされた。MJOの対流活発な位相の中心がこの地域に位置している時に、西進擾乱の発達・維持に基本場から順圧エネルギー変換が大きな役割を果たしうることが示された。MJOの東進がインドシナ半島で集中豪雨の発生に大きな役割を果たしていることが示唆された。
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