研究概要 |
作物の形質に関連が深い遺伝子を特定するために「機能情報をもつSNP」を明らかにすることを目的とする。本研究では形質が比較的詳細に調べられているトマトを対象とした。本年度、NCBIのdbESTデータベースからEST配列を入手し、トマト55系統を含む707,445本を選出し各系統に分類した。その結果、分類されたEST配列の本数は、ゲノム配列解読の対象となったHeinz 1706(303,572本(43.2%)、食用)、Micro-tom(211,799本(29.9%)、矮性トマト)、TA496(108,463本(15.3%)、加工用)、E6203(17,693本(2.5%)、加工用)、Rio Grande(10,596本(1.5%)、食用)の順で多かった。次に、これらのEST配列に対してベクターとpoly-A(T)のトリミングを行った。トリミングされた55系統のEST配列をトマトゲノム配列SL2.40に対してマッピングすることで各系統におけるSNPを検出した。当初、マッピングにはMIRA3を用いたが、9系統以上になると計算が正常に終了しないという問題点が生じたため、GS reference mapperを用いることで18,021箇所のSNPを検出した。このうち29箇所はdbSNPに登録されていたが、残り18,021箇所は新規なものであった。さらに、各SNPを遺伝子との位置関係に基づき以下のカテゴリーに分類した(括弧内はSNP数)。mSNP(Nonsynonymous;2,008)、nSNP(Nonsense;41)、sSNP(Synonymous;2,150)、duSNP(3’ UTR;399)、ruSNP(5’ UTR;323)、ijSNP(エキソンの上下流2Kb以内;91)、gSNP(ゲノム領域;12,020)、iSNP(イントロン;1,017)。
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