食中毒の一種、貝毒は、有毒プランクトンを摂取したホタテガイなどの食用二枚貝が毒化する現象である。可食部の有毒物質の濃度が規制値を越えると出荷が規制され、養殖業が被害を受ける。本研究では、下痢性貝毒であるオカダ酸(OA)という物質に注目し、二枚貝の解毒に関与すると推定されるOAの構造変換を調べた。その結果、1)OAの構造変換が人で言うならば「肝臓」に相当する「中腸腺」という臓器で進行する酵素反応であること、2)本構造変換が二枚貝の種類を問わず進行すること、3)試験管内で行った構造変換の収率は最大で1%前後であり、この変換酵素を精製するために新たな方法論の開発が必要であることがわかった。
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