翻訳後修飾を受けてN末端またはC末端のどちらかがブロックされた成熟タンパク質を同定するための、修飾を受けていない側のアミノ基またはカルボキシル基のどちらかをMALDI質量分析で同程度の感度が得られるTMPP(トリメトキシフェニルホスホニウム)基をもつ修飾試薬で特異的に標識する方法を確立した。この研究の過程でペプチドのN末端アスパラギン酸の脱炭酸反応とそれに伴う脱アミノ化を発見し、これを利用した効率的なN末端およびC末端アミノ酸配列解析法の開発につながった。またこの方法を考古学資料の分析に適用し、4,400年前のエジプトの古墳の壁画片からウシ皮からのコラーゲンを検出した。
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