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2012 年度 実施状況報告書

新規モデリング法を利用したモジュラーキチナーゼの立体構造と抗真菌機能の相関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24510302
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岩手医科大学

研究代表者

野中 孝昌  岩手医科大学, 薬学部, 教授 (30242457)

研究分担者 毛塚 雄一郎  岩手医科大学, 薬学部, 助教 (50397163)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードキチナーゼ / 抗真菌活性 / モデリング / 溶液散乱
研究概要

本研究課題で対象とするキチナーゼは、真菌の細胞壁構成成分の一つであるキチンを分解することで抗真菌活性を示す。抗真菌活性の発現には、キチン結合ドメインと活性ドメインがリンカーにより連結され、同一分子内にあることが重要である。これまでに進めてきた研究により、2つの機能ドメインはリンカーにより空間的に隔てられて位置していることが分かっている。また、リンカーの高い自由度によりドメインの相対配置は可変であり、溶液中ではキチナーゼは複数のコンフォメーションを持つ集団として存在すると考えられる。本研究課題では、ドメインの配置に自由度をもたらすリンカーの立体構造を独自に開発したモデリング法を利用して構築し、触媒活性や抗真菌活性の実験結果と照会することで、抗真菌活性の発現機構を立体構造の観点から解明する。これまでに、実験として触媒活性および抗真菌活性測定法の基礎を確立した。さらに、細菌キチナーゼであるChiCのリンカーの長さをn倍(n=2-5)に変化させた変異酵素と、リンカーを植物キチナーゼ(OsChia1b)のものと入れ替えた変異酵素の発現系を構築した。これと並行して、連携研究者が開発した超高速ランダムポリペプチド鎖構造生成法により、野生型酵素に対して10の10乗個のコンフォメーションからなる構造集団を構築した。これらから計算される理論上の溶液散乱曲線を、別に測定した実測の曲線と比較し、溶液中で取りうると考えられるコンフォメーションを選抜することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進んでいる。触媒活性および抗真菌活性測定は本研究課題における実験分野の基盤であり、予定よりも時間は掛かったものの、信頼性がある系を講座内に構築できたと考える。ChiCの変異酵素作製については、高GC含量やリンカーの長さが増すことにより生じる繰り返し配列により、実験上の困難が伴うこと予想されたが、当初予定した変異酵素の発現系はすべて構築することができた。モデリングおよび得られた構造集団の選抜に関しても、今回のような複数のドメインからなるタンパク質への適用は初めてであったが、プログラムの改良により対応することができた。

今後の研究の推進方策

モデリングおよび得られた構造集団の選抜は、野生型酵素から変異酵素に対象が変わったとしても、これまでの方法をそのまま適用可能である。しかしながら、変異酵素の調製(大腸菌における大量発現と、精製)とX線溶液散乱実験は、それぞれの酵素に個別の対応が必要になることも想定される。したがって、次年度はこの点を重点的に進めて行く。

次年度の研究費の使用計画

研究推進方策に示した通り、実験に係る消耗品(器具と試薬)の支出が増えると考えられる。X線溶液散乱用の大量試料調製には、時間と手間が掛かる。調製を迅速に行うために実験補助員1名の雇用にも使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新しいペプチド鎖生成法を使用したIDPの分子モデリング2012

    • 著者名/発表者名
      関安孝
    • 学会等名
      第12回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120620-20120622

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公開日: 2014-07-24  

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