ミトコンドリアは様々な代謝系の場として機能し、刺激によって自身の形態を変化させ、細胞の恒常性維持に寄与する。近年、ストレス応答に起因するメチオニン代謝がその形態制御に作用することが示されているが、詳しい機序は不明であった。本研究では、形態制御に関与する分子群の翻訳後修飾に着目し、分裂因子DRP1およびGFERがメチル化修飾を受けることを明らかにした。また、人為的にメチオニン回路を抑えると、解糖系の抑制とともにDRP1自体の発現量が低下し、その断片化が抑えられることがわかった。以上からメチオニン代謝を介したミトコンドリアの形態制御により細胞全体のエネルギー代謝を調節する一端を明らかにした。
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