研究成果の概要 |
細胞性粘菌は多数のチロシンキナーゼ様タンパク質(TKL)を有する。本研究では、転写因子STATaをリン酸化する3つの候補TKLであるDrkA, DrkC, RckAについて解析した。3重遺伝子変異株の人工的STATaリン酸化誘導実験ではSTATaのリン酸化が殆ど見られず、3つの遺伝子が重要な働きをしていた。しかし、多細胞体中ではSTATaリン酸化の低下は見られなかった。このパラドックスは説明出来ないが、特定TKLの機能が抑えられれば冗長性により未同定を含む他のTKLが機能する可能性がある。冗長性のメカニズムを解明すればチロシンキナーゼ獲得過程について新規の進化的知見が得られると期待される。
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