研究課題
本課題は、ヒトにはない、バクテリア特有の情報伝達システムである二成分制御系を標的として、新規抗生物質創製を目的としている。具体的には、不安定なP-N結合を安定なP-C結合に置き換えたヘテロ環をもつアミノ酸をホスホヒスチジン模倣化合物として合成し、それを含むペプチドライブラリーを構築し、その中から、抗菌活性を持つ化合物を見出す戦略である。平成24、25年度の主な実績を以下に示す。①Schoellkopf 試薬を用いる立体選択的な合成法を用いてターゲットであるアミノ酸誘導体の合成ルートの開発に成功した。②新規に開発した合成ルートを用い、ライブラリー構築可能な量のホスホヒスチジン模倣化合物を合成した。③ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペプチドの合成ルートを開発した。④リン酸部分の脱保護反応を行うための条件検討を行った。⑤汎用性の高いジペプチド様ライブラリーの構築方法の開発を行った。上記①から⑤を用い、ライブラリーの構築を行う。また、抗菌活性をもつリード化合物を見つけ出す。
3: やや遅れている
この2年間で、①Schoellkopf 試薬を用いる立体選択的な合成法を用いてターゲットであるアミノ酸誘導体の合成ルートの開発に成功した。②新規に開発した合成ルートを用い、ライブラリー構築可能な量のホスホヒスチジン模倣化合物を合成した。③ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペプチドの合成ルートを開発した。④リン酸部分の脱保護反応を行うための条件検討を行った。⑤汎用性の高いジペプチド様ライブラリーの構築方法の開発を行った。上記5つに基づき、ホスホヒスチジン模倣化合物の大量合成を行った。また新規ジペプチド様ライブラリー構築法を開発した。しかし、これを用いた、目的とするホスホヒスチジン模倣アミノ酸を組み込んだライブラリー構築には至らなかった。
これまで得た知見をもとに、ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペライブラリーを構築する。単品のペプチドを合成し、sprit-mix法への適応が可能かを判断する。可能である場合、小規模の化合物ライブラリーを構築し、順次ライブラリーの大きさを拡大していく。トリペプチドライブラリー構築後、抗菌活性を評価し、ヒット化合物をさがす。活性を持つペプチドの発見後、活性評価の結果を受けて、二次ライブラリーを設計し、活性の向上したリード化合物を見出す。既知のヒスチジンキナーゼの3次元構造を用い、リード化合物とのドッキングを行う。
ホスホヒチジン模倣化合物を含むライブラリー構築に手間取り、試薬の購入が起これたため。新規方法論を開発したので、試薬類購入にこの金額をあてる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
The American Journal of Chinese Medicine
巻: 42 ページ: 00
MEDCHEM NEWS
巻: 23 ページ: 6-10