研究課題
本研究では、新規な機能性ペプチド探索の手法であるcDNAディスプレイ法により、高い細胞膜透過性を有する新しいペプチドを創出することを目的とした。膜透過性ペプチドはHIV-1のTatタンパク質に代表され、合成ペプチドを用いた細胞膜への相互作用解析から、構造活性相関が明らかにされつつある。一方、cDNAディスプレイ法は、膨大な数の配列多様性から特定の機能配列を見出す技術である。研究協力者である(株)ジェナシスと共同で、脂質膜と相互作用するペプチドの選別を行った。スクリーニングサイクルで提示された40ほどの候補配列を化学合成し、蛍光標識の後、細胞膜への透過性について検証した。同時に、ペプチドと細胞の相互作用解析に供することのできる分析用光学系を開発した。組織化した細胞内へのペプチドの拡散を観察するために、蛍光顕微鏡および蛍光相関分光法により蛍光標識ペプチドの挙動解析を行った。その結果、細胞膜と新規膜透過性ペプチドの構造と膜透過性の相関を明らかにし、有用物質の特異的な細胞内への輸送手段としての応用を図るための基礎的な知見を得るに至った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
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