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2013 年度 実施状況報告書

14-3-3タンパク質のリン酸化依存性結合阻害物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24510320
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

渡邉 信元  独立行政法人理化学研究所, バイオプローブ応用研究ユニット, ユニットリーダー (90221689)

キーワードタンパク質間相互作用 / 小分子化合物 / 14-3-3タンパク質 / 細胞周期
研究概要

24年度に構築した探索系を用いて結合を阻害する物質の探索を開始した。阻害剤の候補化合物群は研究室にすでに保有している化合物ライブラリーから本年度は約1万の精製化合物を利用した。蛍光タンパク質を用いたアッセイ系で約40の化合物が14-3-3σタンパク質と標的リン酸化ペプチドの結合を50%以上阻害した。
そこで、これらの化合物について、HEK293細胞で発現したヒトWEE1タンパク質と14-3-3σタンパク質との結合を阻害する活性によって二次評価を行った。ヒトWEE1タンパク質はGSTタンパク質との融合タンパク質としてHEK293細胞で発現し、その細胞抽出液を、14-3-3σタンパク質を発現させた大腸菌の抽出液と混ぜた後にグルタチオンビーズによってプルダウンし、結合した14-3-3σタンパク質をSDS電気泳動、CBB染色によって定量した。この二次評価系で7つの化合物が終濃度10μMで結合を50%以上阻害した。
次にこれらの化合物について他の6種類のヒト14-3-3タンパク質について結合を阻害するか否かの評価を行った。他の6種類のヒト14-3-3タンパク質をコードするcDNAを単離し、大腸菌発現ベクターに導入し、タンパク質の発現を行い上述の14-3-3σと同様の結合評価系を構築した。7つの化合物については、どれも他の14-3-3も同様に阻害することが確認された。しかし、目標とする1μMより低い50%阻害濃度の化合物は現在までのところ得られていない。
しかし、探索系は期待通りに機能していることが確認できたので26年度も探索を行いより強い活性を有する物質取得を目指すこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述のように、構築した阻害物質探索系を用いて化合物探索を行い期待される化合物が得られてきているので計画は順調に進行していると考えている。

今後の研究の推進方策

探索系が構築できて期待される活性を有する化合物が得られてきているので、さらに強い活性を有する化合物取得を目指して探索を行う。得られてくる物質を用いて14-3-3タンパク質の細胞周期進行制御に関する役割を解析する研究計画を推進する。

次年度の研究費の使用計画

予定していた海外の学会参加が他の業務と重なって参加を諦めたこと、強い活性を有する化合物が得られた場合に計画していた細胞培養系での実験を行うことができなかったことなどにより使用予定していたよりも少ない使用となった。
本年度にさらに化合物探索を多く推進することとするため、ハイスループット探索用のプラスチックプレート、ピペットチップなどの消耗品を当初の計画よりも多く使うこととする。このために昨年度の余剰額を使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] PI 3-kinase-dependent phosphorylation of Plk1-Ser99 promotes its association with 14-3-3γ and is required for metaphase-anaphase transition.2013

    • 著者名/発表者名
      Kasahara, K., Goto, H., Izawa, I., Kiyono, T., Watanabe, N., Elowe, S., Nigg, EA., and Inagaki, M.
    • 雑誌名

      Nat. Commun.

      巻: 4 ページ: 1882

    • DOI

      10.1111/cas.12246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of small molecule inhibitors of p27Kip1 ubiquitination by high-throughput screening.2013

    • 著者名/発表者名
      Ooi, L-C., Watanabe, N., Futamura, Y., Sulaiman, SF., Darah, I., and Osada, H.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 104 ページ: 1461-1467

    • DOI

      10.1111/cas.12246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞周期を制御するリン酸化依存タンパク質間相互作用阻害剤の開発2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺信元
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 31 ページ: 297-302

  • [雑誌論文] 新たな抗がん剤探索を加速する新スクリーニング技術2013

    • 著者名/発表者名
      長田裕之, 二村友史, 渡辺信元, 近藤恭光
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: 32 ページ: 655-659

  • [雑誌論文] リン酸化依存性タンパク質間相互作用阻害物質の探索と抗がん剤への展開2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺信元,長田裕之
    • 雑誌名

      がん基盤生物学-革新的シーズ育成に向けて-

      巻: 1 ページ: 305-310

  • [学会発表] Screening of inhibitors of p27Kip1 ubiquitination by SCFSkp2 (SCFSkp2による p27Kip1のユビキチン化阻害物質の探索)

    • 著者名/発表者名
      渡辺 信元, 新家 一男, 長田 裕之
    • 学会等名
      第72回 日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
  • [学会発表] 細胞周期阻害物質のハイスループット探索と創薬への応用

    • 著者名/発表者名
      渡辺信元
    • 学会等名
      第17回日本がん分子標的治療学会学術集会シンポジウム
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 招待講演
  • [学会発表] 生物機能解析のためのケミカルバイオロジー基盤技術

    • 著者名/発表者名
      渡邉信元
    • 学会等名
      第3回CSJ化学フェスタ
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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