研究課題/領域番号 |
24510321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
RUMIANA Bakalova 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (30469936)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | MRI / ニトロキシルラジカル / レドックス / 酸化還元 / 量子ドット / センサー / 蛍光 / 反応性造影剤 |
研究概要 |
本研究の目的は、生体内におけるイメージガイド薬剤送達法(Drug Delivery Syetem)のための新しい量子ドット・ニトロキシルラジカルによるセンシングの技術基盤を開発することである。先端的なナノ技術であるポリイオンコンプレックス単層膜ベシクル(PICsome)を生体適合性のナノキャリアーとして使用し、技術基盤を保有する水溶性の量子ドットとニトロキシルラジカルで標識された疎水性抗がん剤を付加することで、本目的を達成する。 本年度は、(1)水溶性の量子ドットの合成し精製した。水溶性を確認し、TEMおよびDLS等によって粒径分布などその特徴の解析を行った。(2)2つの疎水性のニトロキシルラジカルで標識された抗がん剤の合成、精製、およびPICsome内への担持などその特徴の解析を行った。その結果、分子量が10000ダルトンを下回る低分子は、親水性・疎水性にかかわらずPICsome内に担持されないことが判明した。そのため、本研究ではミセル等の粒子内に抗がん剤を封入し、PICsomeに内包する手法を選択する。(3)柔らかくクロスリンクした、ポリイオンコンプレックス単層膜ベシクル(PICsome)を自己会合させ、親水性の量子ドットの内包を行った。その結果、一定の内包が確認されたものの、小粒子などが混入しており、合成法の更なる検討の必要性が判明した。(4)生理的な液体中(バッファー、血清、血漿)における合成されたPICsomeの安定性を検討し、PICsomeの中心核にある量子ドットから、薬剤放出が生じているかについて検証し、60-90分以内に薬剤放出が生じる事が観察された。(5)これら基本的な実験のデータを解析して、論文を投稿し受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成方法にさらなる検討が必要な問題点も発生したが、ニトロキシルラジカルの基本原理で論文化に至ったため、相殺して達成度は概ね順調とした。
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今後の研究の推進方策 |
合成方法の再検討が必要となったが、来年度中に解決できる見通しがあるため、大きな変更は無い。
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次年度の研究費の使用計画 |
新規ナノキャリアの合成方法の改良・再検討に必要となる試薬・消耗物品の購入、合成したナノキャリアの性能評価実験のための実験用動物、薬品の購入、ならびに共同研究者との打ち合わせ旅費に使用する予定である。
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