研究課題/領域番号 |
24510321
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
RUMIANA Bakalova 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージングセンター, 主任研究員 (30469936)
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キーワード | drug-delivery systems / nanoparticles / polymersomes / quantum dot / nitroxides / fluorescent imaging / EPR imaging / cancer |
研究概要 |
ポリイオン中空ベシクル(化学修飾キトサンを使ったポリマーソーム)モデルとして、量子ドット(QD)を用いて、腫瘍内部への薬剤送達を効率的にすることができるか検討した。大腸がん移植マウスは、イソフルラン麻酔(1.5%)下で、水溶性ナノ粒子を静脈注射した:(i) QD705内包ポリマーソーム(平均サイズ~120nm) 、または(ii)QD705単体 。蛍光イメージングは、in vivoイメージングシステム(マエストロEX 2.10)で実施した。血流中のQD705の半減期(約30分)は短かく、QD705を用いた腫瘍の可視化は、血管新生にのみ依存し、急速に肝臓に蓄積した。QD705内包ポリマーソームの血流中半減期は約6時間の長さであった。蛍光は、すぐに全身の血管を可視化し、その後に腫瘍領域に現れた。腫瘍内の信号強度は16時間後で強く、肝臓領域の信号は非常に小さかった。これはQD705内包ポリマーソームにより血中の滞留効果が向上し、長い循環の結果、腫瘍に多く送達されたことを示す。この結果は、キトサン修飾でサイズ制御した長循環ポリマーソームが、癌におけるナノ粒子および造影剤の送達を含む薬物送達の非常に有望なキャリアであることを示唆する。 また、ニトロキシルラジカル内包ポリマーソームの開発を試みたが、長時間ナノ粒子内部にニトロキシド化合物を保持することは困難であった。ポリマーソームからのニトロキシルラジカル放出の半減期は約50分(EPR分光法により検出された)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文化が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り進行しており、当初の計画に沿って研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の進捗により、購入物品や研究打ち合わせ・学会発表の予定を調整したため。 追加で実施する実験に関する費用、学会発表ならびに研究打ち合わせ旅費等に使用する。
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