今回、世界初のイメージング質量分析を用いた生体組織親和性化合物のスクリーニングシステムを開発し、それを用いてアルツハイマー病ヒト脳内のタウ凝集体に親和性をもつ数種の候補化合物を得た。このシステムでは多数のマイクロ切片チップを作成し、スクリーニングに使用する。また、上記候補化合物より、タウに直接結合するリード化合物を詳細解析により得られれば、タウを標的としたPET標識化合物および治療薬の創成に向けての第一歩となり、意義深い結果である。この新開発のスクリーニングシステムは薬物動態の研究、微小癌組織の標識化合物等の開発にも応用可能であり、本研究の結果は創薬及び医療の発展に寄与できると考えられる。
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