研究課題/領域番号 |
24510327
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
斉藤 英俊 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (00294546)
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研究分担者 |
河合 幸一郎 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (30195028)
海野 徹也 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (70232890)
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キーワード | 輸入釣り餌 / 外来種 |
研究概要 |
1)非意図的輸入種のリストの作成:淡水産テナガエビ科の商品名シラサエビについて広島県東広島市内の釣り具店で周年調査を実施したところ、11~5月にかけては中国からの輸入物が、5~10月にかけては東広島市内からの収穫物が流通していることがわかった。中国から輸入されたシラサエビには、非在来種であるPalaenonetes sinensisを主体に、スジエビPalaemon paucidensテナガエビMacrobrachium nipponense、カワリヌマエビ属のNeocaridina spp.から構成されていた。一方、東広島市内産シラサエビには、スジエビP.paucidensを主体に構成されおり、P.sinensisは混入していなかった。 2)在来・非在来個体群の遺伝的集団構造の解明:本実験では日本各地に在来個体群が存在し、さらに国外から40年以上輸入されているイワムシの中国産の非在来個体と日本産の在来個体を対象に、ミトコンドリアのチトクロームC酸化酵素サブユニット(COI)DNAマーカーによる多型解析を実施した。その結果、中国産非在来個体と日本産の一部の地域の在来個体との間にわずかながら遺伝的差異がみられたが、まだサンプル数が十分ではないためその解釈にはデータを重ねる必要がある。 3)釣り餌動物の生息状況:今年度調査した広島県内の潮間帯および潮下帯においては、近年全国的に個体数が減少されているとされる在来性のアカムシ、スジホシムシおよびキタユムシ科ユムシ類の出現を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)非図的移入種のリストの作成:商品名シラサエビについて広島県東広島市内の釣り具店で周年調査を実施したところ、夏期を中心に東広島市産シラサエビが、それ以外の時期には中国産シラサエビが流通されていること明らかにし、両地点における非図的移入種をリストアップすることができた。とくに中国産シラサエビには非在来種であるP.sinensisの混入率が高いことが判明し、潜在的な野外への侵入の可能性が懸念される。 2)在来・非在来個体群の遺伝的集団構造の解明:イワムシの中国産の非在来個体群および日本産の在来個体について、ミトコンドリアのチトクロームC酸化酵素サブユニット(COI)DNAマーカーによる多型解析は実施可能であり、今後実験データを重ねて行くことによって、その遺伝的集団構造の解明が期待できる。 3)釣り餌動物の生息状況:広島県内の潮間帯および潮下帯においてを調査し、在来性釣り餌動物の生息状況を確認した。 4)研究途中経過の公表:研究の途中経過については、国際多毛類学会(シドニー)および日本プランクトン・ベントス学会(仙台)において、予定どおり公表した。
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今後の研究の推進方策 |
1)非図的輸入種のリストの作成:商品名シラサエビを中心に日本各地の輸入種の情報を継続的に調査する。 2)在来・非在来個体群の遺伝的集団構造の解明:COI以外の領域についても多型解析を実施して遺伝的差異の有無について詳しく検証する。 3)釣り餌動物の生息状況:非在来性の釣り餌動物の生息状況を精査する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)非図的輸入種のリストの作成:商品名シラサエビを中心に日本各地の輸入種の情報を継続的に調査する必要があるため。2)在来・非在来個体群の遺伝的集団構造の解明:COI以外の領域についても多型解析を実施して遺伝的差異の有無について詳しく検証する必要があるため。3)釣り餌動物の生息状況:非在来性の釣り餌動物の生息状況を精査する必要があるため。 1)非図的輸入種のリストの作成:日本各地の輸入種の情報を継続的に調査するための、標本を購入するための消耗品費および国内旅費等として使用する予定である。2)在来・非在来個体群の遺伝的集団構造の解明:標本、薬品・実験器具などを購入するための消耗品費および国内旅費等として使用する予定である。3)釣り餌動物の生息状況:非在来性の釣り餌動物の生息状況を採集するための消耗品費および国内旅費等として使用する予定である。
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