北米西海岸では外来寄生者であるエビヤドリムシ科甲殻類Orthione griffenis によりアナジャコ類が激減して、その共生者群集も絶滅に瀕している。様々なエビヤドリムシの種を用いてこのグループの寄生生態を明らかにした。調査した全てのエビヤドリムシ類では、幼生が宿主の小型個体に着底して共に成長することが明らかになったが、O. griffenisは大型宿主個体へエビヤドリムシが着底することが、最大の相違点であった。エビヤドリムシ類の生活史における、宿主への脱皮戦略、性転換についても明らかにし、また、アナジャコ類を宿主とする多様な共生者の生態も併せて報告を行った。
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