研究課題/領域番号 |
24510334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
日野 輝明 名城大学, 農学部, 教授 (80212166)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ニホンジカ / 糞分析 |
研究概要 |
高密度のシカによって森林衰退の著しい大台ヶ原において、下層植生がササの森林内(FS)、下層植生がササでない森林内(FN)、ドライブウェイ沿いの法面・路傍(DW) の各3地点合計9地点の調査地点を設置して、地点間での食性の違いを糞分析によって明らかにすることを主な目的として、5月、7月、9月、11月に調査を行った。 下層植生の種類構成に対応して、FS地点ではササ類、FN地点では双子葉類,DW地点ではササ類以外の単子葉類を主に採食していた.また、食性中にササ類の占める割合およびササ以外の単子葉類が占める割合は、それぞれ調査地点のササ林床およびドライブウェイからの距離(最長1kmまで)に比例して増加していた。 食性の季節変化も明らかになった。双子葉類は落葉の時期に対応して11月に採食される割合が最も高くなった。針葉樹の葉は新葉や実生が出現する5月に最も採食されていた。また、理由は明確ではないものの、樹皮や小枝の採食は7月に最も多かった。 これらの結果から、シカは調査地点を中心に最大約1km範囲の行動圏内に生育する植物を採食しながらも、季節に応じて利用しやすい植物を採食していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
報告では、糞分析の結果のみに限定したが、交付申請書の計画にあるシカの採食量やシカの個体数分布の調査も平行して行っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、糞分析によって餌として利用されていることが判明した植物資源について、水分、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、カロリー量などの栄養成分分析を行う。水分については加熱減量法、粗タンパク質についてはケルダール法、粗脂肪量については、ジエチルエーテル抽出法、粗繊維については濾過法、粗灰分については直接灰火法、カロリー量についてはカロリーメーターをそれぞれ用いて行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,生物顕微鏡を購入するとともに、栄養分析に必要な薬品を主に購入する。
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