本研究課題では,農村社会を舞台とした基層(=村)ガバナンスの構築に向けて,「公」(政府=再配分原理),「私」(市場=交換原理),「共」(コミュニティ=互酬性原理)の三領域にまたがる資源活用の可能性を提示することにある。この研究目的を達成するために,①中国の内陸部(中部および西部)に属する山西,貴州,河南,江西,甘粛のそれぞれ一カ所ずつの村落において現地調査による事例データの集積を行い,②この基礎の上に立ち,ガバナンスにおいて「公」「共」「私」それぞれの資源が果たしうる役割と相互補完のパターンについて,比較分析を通じた理論的展望を示した。
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