研究課題/領域番号 |
24510338
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
倉田 徹 立教大学, 法学部, 准教授 (00507361)
|
キーワード | 中国 / 香港 / 民主化 / 市民社会 / キリスト教 / 中港関係 |
研究概要 |
本年度は当初の研究計画に基づき、1.香港・中国大陸での文献資料の体系的収集と、2.街頭政治活動の現地調査、そして3.香港社会の中国大陸に対する影響の実態調査をそれぞれ進めた。 1.については、2013年6月から7月、8月から9月、11月の3回にわたって香港および中国大陸への調査出張に赴き、香港大学・香港中文大学の図書館および書店での文献収集を進めた。2.については、2013年7月1日の香港での反政府デモを現地で観察し、民主化問題や中国大陸と香港の関係に関する市民の意識や政党等の主張を調査した。3.については、ここまでの研究の結果として、特に香港のキリスト教会が中国大陸との間で持っている関係について調査することが可能となり、8~9月の訪問時に香港のキリスト教会・神学校を訪問し、香港のキリスト教会の中国大陸への布教活動や、香港の教会の中国共産党政権に対する態度などについての取材活動を行うとともに、神学校の図書館において香港のキリスト教会の新聞・雑誌類の資料を多数収集した。それと同時に、香港の政界・学界・メディアなどの関係者多数へのインタビューも実施し、民主化に対する香港各界の態度についての調査を進めることができた。 今年度までの研究活動の成果として、台湾の学会誌「問題と研究」に査読付きの論文一篇を掲載することができた。また、11月には中国広東省広州市の中山大学で開催された国際シンポジウムにおいて報告を行い、論文が本シンポジウムの論文集に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画には、平成25年度以降各種の香港の社会団体へのインタビューや、それらの社会団体と連携している中国大陸の社会団体への訪問調査を実施することを盛り込んだが、本年度はこのうち特に香港のキリスト教会の中国大陸での活動に関する調査が進展した。また、論文の発表やシンポジウムでの報告を通じ、研究成果の公表も始めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
香港社会の中国大陸との接触に関する研究のうち、特に香港のキリスト教会と大陸との関係についての研究は順調に進展し、興味深い事実を発掘できると考えられる。本年度も引き続き、香港のキリスト教会の中国での布教活動や、中国の信教の自由に対する影響などについての調査を進めて行きたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ計画通りに支出を行ったが、書籍購入額が予定より少なくなり、小額(9,936円)の剰余が出た。 剰余額9,936円については、翌年度の書籍購入費用に追加して使用する方針である。
|