本研究では、「一国二制度」方式で統治されている香港が、中国の政治・社会の変容に対してどのような影響を与えているかを分析した。当初、香港のキリスト教団体を中心に、中国大陸および香港での調査を行い、香港の市民社会が中国の変容に対して果たしている役割について、具体的な事例研究を行うことができた。 研究期間中の2014年には、中国政府が提案した民主化案に反対する学生・市民によって、香港で「雨傘運動」と呼ばれる大規模民主化運動が発生し、この運動をめぐる政治動向の分析に焦点を当て、関係者へのインタビューなどを行った。研究成果はすでに書籍や論文の形式で多数発表されている。
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