研究課題/領域番号 |
24510345
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 友美 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (40337746)
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研究期間 (年度) |
2014-02-01 – 2017-03-31
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キーワード | タイ / 大乗仏教 / 比丘尼 / 台湾 / 中国宗教 |
研究実績の概要 |
本年度は、2回の海外出張の計画を軸に研究を進行させた。 第1回目の海外出張は、平成27年6月22日~平成27年6月30日にかけて、インドネシアのジョグジャカルタで開催された第14回サキャディーター国際女性仏教徒会議に参加し、"Diversity of Mahayana Buddhist bhikkhunis in Thailand: roots, affiliation, and status"と題する研究発表を行った。この発表では、上座部仏教国タイでは極めて少数派の大乗仏教の比丘尼として生きる中国系タイ人女性へのインタヴュー調査を基に、比丘尼を容認しないタイ・サンガの体制の下で、大乗比丘尼となった女性たちが、上座部比丘尼としての生き方を模索するタイ人女性たちと、共通の宗教的・社会的経験を踏まえていることを明らかにした。 第2回目の海外出張は、平成27年9月22日~平成27年9月27日にかけて、台湾の台北、宜蘭、新竹、台中、高雄の各市にある大乗仏教の比丘尼寺院を訪問し、道教と大乗仏教が混交した齋教と呼ばれる菜食の修行者が、大乗仏教の比丘尼に移行した経緯について、インタヴュー調査を行った。この調査を通じて、タイにおける中国系タイ人の中国宗教の実践形態全般、および中国系タイ人の宗教施設である斎堂の宗教実践と大乗仏教との関係を解明するうえで、台湾における中国宗教に関する研究が貴重な視座を提供してくれることが明らかになった。その後、台湾で収集した資料・文献と対照しながら、タイの資料を読み進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料の解析に時間を要しており、思うように研究成果の発表につなげることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査を実施できる限られた機会を活用し、最大限、資料収集とインタヴュー調査に当たり、国内での資料解析とデータ整理・分析を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
マイクロフィルム資料の読み込みに時間をかけたために、予定していた海外調査を行う時間的余裕がなくなってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
大学の授業がない長期休暇期間を利用し、各回2週間程度の海外調査を2回実施すれば、助成金を有効活用して研究を遂行することができる。
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