本研究は、政治体制の転換を経験したインドネシアの企業グループの変化と連続性、一貫した存続メカニズムを探ることを目的とした。主な成果は二点である。第一に、企業家の顔ぶれには連続性が、事業には非連続性が認められた。2010年代の100大企業グループの8割以上が既存の顔ぶれだった。だが、傘下事業は大きく再編され、重工業から農園・鉱業・サービス業へと軸足がシフトした。 第二に、企業グループは所有経営主をコアとし、ネットワークによって外部から資源を調達することで成長してきたと考えられる。この「コア&ネットワーク仮説」によって、変動の激しい環境条件に柔軟に適応する新興国型ビジネスモデルを提示できる。
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