ナショナルなレベルで進むケア供給体制の再編がローカルなケア供給体制の再編とそのジェンダー間・内部の分業をいかに変化させているのかを福島県川俣町を事例に検証した。①公的保育への財政投入圧縮にあたって公立保育所の高コスト言説、「三世代同居」の強調、専門的ケアと家族・ボランティアによるケアを等置する言説が動員されたこと②震災後、公的制度に裏打ちされた保育所が「日常」を保障する場としての機能を持つことが再認識された③にもかかわらず、保育士の労働条件の低下とローロード・キャリア化が2000年以降、顕著になり、新制度の導入にあたって今後のケア供給体制の維持はなお不透明であることである。
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