本研究では、韓国で2000年代なかばに「多文化」が政策言説化されて以降、結婚移住女性を主体とする組織形成が活発化している現象に注目し、その実態についてフェミニスト社会学の視角から分析を行った。ソウル首都圏を中心にフィールドワークおよびインタビュー調査を実施し、移住女性による文化的領域における多様な主体表現について、文化的シティズンシップの概念に依拠し検討を行った。また韓国人女性を含む多様な出身背景からなるトランスナショナルな女性連帯の形成に焦点をあて、多文化政策に対するインパクトについて考察を行った。
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