研究課題/領域番号 |
24510377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (10432436)
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研究分担者 |
北野 尚美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40316097)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | セクシュアリティ / セクシュアル・ヘルス / 思春期保健 / すこやか親子21 / ジェンダー / 若年妊娠 / 性行動 / リスク行動 |
研究概要 |
平成24年度は、英国の研究協力者(health care practitioners:医師、助産師、看護師、NGOメンバー)との間で調査準備を進めた。まず、英国の「十代妊娠戦略」の評価研究を行う目的で、英国在住の社会学研究者と思春期保健の実務家から面接による聞き取り調査を行った。英国の十代妊娠戦略は社会的排除の理論枠組みによったが、現地の実践家からは、母子保健の枠組みにおける十代妊娠への対応について支持する意見があった。次に、現代の英国における思春期保健の現状を把握する目的で、英国の若者のリプロダクティブ・ヘルス専門NGOであるBrooks、十代妊婦および母親の支援学校(Meriton School)とプライマリヘルスケア施設 (Victoria Health Center, Nottingham )などを訪問した。調査協力が得られ、複数の関係者及び利用者から今年度は予備的な聞き取り調査を行った。Brooksにおいて、現場経験が豊かな実践家から、英国におけるsexual risk takingに関するコミュニケーション・ツールであるTraffic Light Toolの情報を収集した。ここで、開発にかかわった中心メンバーの協力が得られて詳細な資料を入手した。日本における研究実施準備として、第31回日本思春期学会において、思春期保健の実務家を対象に本研究を紹介し調査協力を依頼した。現在、複数の関係者と調査実施に向けて準備中である。また、英国の「十代妊娠戦略」と日本の「健やか親子21」の既存資料に基づく比較を行い対照表を作成して、第12回アジア・オセアニア性科学学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存資料による英国の「十代妊娠戦略」と日本の「すこやか親子21」の比較を行い、国際学会で成果報告した。 英国で研究協力者との間で調査準備を進め、その過程でTraffic Light Toolを発見し、開発に関する詳細な資料を入手した。
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今後の研究の推進方策 |
1.英国の「十代妊娠戦略」と日本の「すこやか親子21」の比較評価研究:既存資料の調査を進め、政策概念と実施手段を中心に社会学的に比較評価を行う。今年度はその成果を国際誌に論文投稿を予定している。 2.英国におけるTraffic Light Toolを用いた調査:対象者として、若者のリプロダクティブ・ヘルス専門家、十代妊娠・出産経験者、一般中等学校の教師と生徒を対象に、sexual risk takingに関する知識と意識を調査する。 3.日本版Traffic Light Toolの開発:Brooksでの聞き取り調査内容と入手した資料をもとに、日本において思春期保健の専門家からsexual risk takingに関する聞き取りを行い意見交換を進める。日本で思春期の健康リスク行動の予防に活用可能なツールを開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に英国で行った聞き取り調査のテープおこし(約10時間分)に使用する。
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